今回は、圧力タンクの基礎から仕組み、設計・製作をする際のポイントをご紹介いたします。
圧力タンクは、化学工業、石油精製、食品加工、医療機器など多岐にわたる産業で重要な役割を果たしています。
圧力タンクは液体やガスの圧力を安全に保持するように設計されており、高圧環境下でも機能するようステンレスSUS304などの強固な材質を用いて、製作されています。
圧力容器は、内外部からの圧力に耐える密封構造を持ち、大気圧より高い圧力を扱うため、労働安全衛生法や高圧ガス保安協会による厳格なルールが設定されており、大きさや最高使用圧力に合わせて、第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型圧力容器などに分類されます。圧力タンクは製造時から使用中まで検査が義務付けられています。
コンプレッサー(空気圧縮機)を使用し、空気を吸い込み、それを圧縮して圧力タンクに送り込みます。圧力タンクに送り込まれてきた空気が、圧力タンクに貯められている液体やガスが圧迫されます。圧力タンクの下部には、容器の下部には液体やガスの逃げ道があり、バルブを開くことで圧迫された液体やガスが流れ出るようになっています。バルブを開閉することで、液体の流出を制御できる仕組みになっています。また、タンク内の圧力を一定に保つことで、一定した量の液体やガスを流しだす事が可能となります。このように、空気を圧縮し、液体やガスを流しだすことを「圧送」と言います。
ここからは、圧力タンクを設計・製作する際のポイントについて解説いたします。
圧力タンクに歪みがあると、圧力を一定に分散する事が出来なくなります。歪みが発生している所だけが、高い圧力に耐える事が出来なくなり、凹む・破裂等の事故に繋がります。もし、圧力タンク内にガスを貯めていた場合、圧力タンクが破裂し、ガスが漏れてしまうと、火事や爆発に繋がります。
そのため、製作時に歪みを最小限にする必要があります。
圧力タンクは、高圧の液体やガスを保持するために使用されます。
溶接が不十分だと、タンクの継ぎ目が弱くなり、漏れや破裂のリスクが高まります。また、溶接歪みを最小限に抑える必要があるため、高精度な溶接が求められます。溶接を高精度に仕上げることで、圧力を一定に分散することが可能となり、タンクの耐久性が向上します。
当社が行ったタンクの設計・製作事例の一部をご紹介いたします。
こちらは、大型構造物のプラント用タンクの事例です。材質は、ステンレス材と鉄鋼材です。
プラントに使用されるタンクであるため、幅:2,500☓ 高さ:3,000☓ 長さ:5,000と非常にサイズの大きなタンクの製作依頼でした。タンク、容器として使用されるため、耐久性が非常に重視されるためステンレス材や鉄鋼材での製作となりました。製品用途をヒアリングさせていただいた際に水密、機密を有する用途で水密試験や気密試験を実施したいというご要望をお聞きしたため、機密性をしっかりと担保するべく非常に精度の高い加工が必要でした。タンクのため、Rがついた各製品を組み合わせる際に精度の高い溶接が難しくなるのですが、当社では、歪みを抑えた大型構造物の加工実績が豊富にあるため、当社の歪み取り技術でしっかりとご要望の気密性や精度を実現しました。
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当社は、大型の製缶板金加工に強みをもっており、多くの製作実績がございます。圧力タンクはもちろん、大型製缶品でお困り事がございましたら、現地調査を行い、お客様のニーズに合わせて製作いたしますので、弊社までご相談ください。