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機械フレームの機能、最適な素材について解説

機械フレームについて、どのような機能が求められているかご存知でしょうか?

今回のコラムでは、機械フレームにどのような役割・機能があり、それを満たすためにはどのようなポイントに気を付けて加工しなければならないか解説いたします。

1.機械フレームとは

フレームとは、製缶板金加工で作られる製品のひとつです。フレームは幅広い分野に使用されており、産業用の各種機械装置や工作機械、生産現場の作業台やコンベアなどの骨組みになるものです。

また、似ている言葉として「架台」というものもあります。架台とは、下から何かを支えるための構造物のことを指します。

フレームと架台の線引きは難しい場合もあるため、「架台フレーム」と表すこともあります。

2.機械フレームに求められる機能

機械フレームに求められる機能は、3つあります。

①強度

工作機械・産業用各種装置部品の重量や振動、また装置と制御装置を繋ぐ電線の重量の負荷に耐える必要があります。

〇強度確保のポイント

強度確保のポイントは溶接方法にあります。材料の多くは角パイプ、アングル材(等辺山形鋼)、チャンネル材(溝形鋼 )であり、これらを組み合わせて溶接を行ないます。このとき接合部に、より溶接が溶かし込まれるよう開先加工後に全周溶接を行うことで強度を確保しています。また、補強材を使用することでさらに強度を確保することができます。

②精度

フレームの多くは、単体で使われるのではなく、ネジやボルトを使って工作機械や産業用装置に取り付けます。
そのため、タップや穴の加工のピッチの精度が重要となります。

〇精度確保のポイント

精度確保のポイントは2つあります。

1 穴・タップへの加工

タップ位置の精度確保のため、ある程度フレームを形状に溶接・組立を行なった後に、レーザ加工機やゲージを使った手作業によって穴やタップの加工を行なう必要があります。

2 フレーム全体の精度

枠組み溶接を行うと、溶接よって枠が内側へ歪み、外径寸法に数ミリの誤差が発生してしまいます。
この場合は、他のフレームを組み込む際に修正することが必要となります。

③軽量化

必要以上に大型のフレームを製作すれば上記2点は容易に満たすことができますが、材料コストアップ、加工コストアップ、スペースの圧迫などのデメリットが発生するため、軽量化することがコストダウンにつながります。

また、大型産業用装置などは小さな装置が複数組み合わさってできているものもあり、フレームも大型のものから小型のものまで複数が必要となります。大型フレームにかかる負荷は装置部品の重量の他、小型フレームの総重量も加わります。そのため、この場合も同様で、小型フレームの重量が軽量であればあるほどコストダウンにつながります。

ただし、前述の強度・精度の二つを満たすことが前提の上で軽量化する必要があります。

〇軽量化のポイント

軽量化のポイントは、材料の変更です。

従来肉厚の厚い角パイプを使っていた箇所を同強度のチャンネル材(溝型鋼)に置き換えることで軽量化を実現できます。また、強度上問題がなければ鉄からアルミニウム(鉄の1/3の重量)に変更することで軽量化が可能となります。

3.機械フレームの素材

フレーム製作を行う場合、用途によって使用する素材が異なります。
機械装置や工作機械で使用されるフレームは、機械稼働時の衝撃などに耐えられる強度が必要です。
そのため、鉄やステンレスなどの素材自体の強度が高いものが用いられています。

一方、作業台やコンベア、部品供給棚などはアルミニウムを用いたフレームが多いです。
アルミフレームは、軽量なうえ、剛性が高く、振動などに強い特徴があります。
また、ホームセンターでも気軽に手に入ることから、DIYにも使われます。
そのほか、家庭用のラックやテーブルなどにも使用される汎用性の高い材料です。

4.機械フレームの製作事例

製作事例①大型機械・プラントフレーム

鉄製の大型構造物の機械フレームの製作事例となります。

プラント設備などに用いられる機械フレームであるため、幅:3,000☓ 高さ:3,000☓ 長さ:5,000と非常にサイズの大きな構造物の製作でした。

プラント設備は大型の構造物が多いだけではなく、設備特性上から非常に高精度・高精密の加工が必要となる部品が多い点も特徴的です。
本製品も通常であれば溶接構造で歪みや曲がり、寸法誤差が発生してしまいますが…

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製作事例②アルミ合金製 大型構造物 防潮堤用水門扉体

アルミ製の大型構造物の製缶板金品になります。

このH:3,000 × W:900 × D:10,000 を越える大型の構造物は外部からの物理的な力によって稼働することになります。
そのためこれだけの大型なサイズでありながら、可能な限りの軽量化が求められるため、アルミ材料が採用されています。
(一般的にアルミ材料は鉄材の1/3の重量、アルミや鉄など材料によって詳細は異なる為、あくまでも参考値として1/3の重量)

 この筐体上の製缶板金品は、フレームとカバー上の板で構成されており、それらを溶接によって組み立てています。
ただアルミは溶接組立をする際に他の金属と比較して熱により変形しやすく、溶接加工が難しい側面がありますが…

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