架台は機械類や設備機器などの重量物を設置・支持するために使用されているため、強度が求められます。
この架台がどのように製作されているか、製作するうえでの注意点は何か、今回のコラムで詳しく解説いたします!
架台とは、機械類や設備機器などの重量物を設置または支持するための架構です。
架構は柱と梁でできた構造のことです。
空調機や制御盤、キュービクル、分電盤のほか、製造機械や配管機器、室外機、太陽光パネルなど、室内・屋外問わず様々な機器を設置する際に利用します。
さまざまな重量物が設置される架台には、高い強度と安全性が求められます。
ただ重量物に耐える構造だけでなく、設置する機器の場所・目的に合せて様々な環境に耐える設計をする必要があります。
例えば、屋外に設置する場合は耐食性や耐候性を持たせておくことが必要であったり、地震や水害といった災害にも耐えられるような設計が要求される場合があります。
架台の用途・目的に合わせて、適切な素材を選択します。
例えばステンレスは耐久性が高くてサビにくいですが、重量があって加工がしにくくコストも高いという特徴があります。
金属の特性をよく理解して、架台の素材を選ぶことが重要です。
素材を選択したら、要求される架台のサイズに必要な分の材料を用意します。
製作する架台のサイズに応じて、板材のシャーリング加工(切断)をおこないます。
サイズや形状によってはレーザー加工機やタレパン加工機などを使用することもあります。
切断の精度は、あとのバリ取りや架台の仕上がり具合にも関わるため、正確で丁寧な作業が必要です。
金属を切断する際、切断部分に「バリ」という残留物や付着物が発生します。
バリを残したままだと、製品精度が悪くなるだけでなく作業者がケガをしたり機器類を傷めたりする恐れがあります。
バリがまったく発生しないように切断加工をするのは困難です。
そのため、板材の切断後にはボール盤やフライス盤、仕上げ工具などを使ったバリ取り工程が必要になります。
架台の素材や強度を考慮して、適切な溶接加工を施します。
よく使われる溶接方法は、アーク溶接やTIG溶接、スポット溶接、レーザー溶接などです。
素材がアルミニウムの場合、溶融点が低く、ひずみが発生しやすいため、ろう付けによる比較的低温での接合をおこなうこともあります。
アルミニウムはもちろん、ほかの素材であっても板材の厚みや必要な強度によっては、職人の技術しだいで仕上がりが左右されます。
架台を製作する際は、下記の3点に注意する必要があります。
大きな工作機械や太陽光パネル、鉄道などの重量物を支える架台には、非常に高い強度が必要です。
架台の立木(支柱)は通常だと4本ですが、さらに強度を上げたい場合には6本ないし9本に増やします。
立木を増やすほど重量が分散されるため強度を確保することが可能です。
強度がそれほど必要ない一般的な架台では、厚さ6mmの板材が多く用いられます。
工作機械などの重量物を支える場合は、強度を保つために板厚は18mmや22mm、あるいは30mmが適切です。
また、鉄道のベース架台のように数トンもの重量に耐える架台を製作する際には、t100mmの板材を用いることもあります。
全周溶接によって板材同士を強固に接合することで、架台の強度を高めることができます。
全周溶接とは、接合部周りをすべて溶接し、板材と板材のすき間も完全にふさぐ方法です。
高い強度が得られる一方で、熱によるひずみで加工精度が落ちたり、コストがかさんだりするというネックもあります。
当社では長年、大型の架台を数多く製作してきました。
ここからはその製作事例の一部をご紹介いたします。
鉄製の大型構造物の機械フレームの製作事例です。
プラント設備などに用いられる機械フレームであるため、幅:3,000☓ 高さ:3,000☓ 長さ:5,000と非常にサイズの大きな構造物の製作でした。
プラント設備は大型の構造物が多いだけではなく、設備特性上から非常に高精度・高精密の加工が必要となる部品が多い点も特徴的です。
本製品も通常であれば溶接構造で歪みや曲がり、寸法誤差が発生してしまいますが…
大型機械用の特注架台の事例となります。
工場で使用される大型の設備用の架台であるため、非常にサイズが大きく、強度が求められる点がポイントとなりました。
結果、幅:2,000X高さ:2,000X長さ:3,000という非常に大きな架台の製作となりました。
このように大きな架台を設計・製作する際は溶接を行う際に歪みや曲がりが発生しやすく…
大型の架台製作でお困りの案件がございましたら、ぜひ一度当社にお問合せください。
ご要望にあわせ、当社の熟練の技術者が設計・製作いたします。