お役立ち情報

製缶加工とは?加工の流れとともに解説!

製缶加工とは?加工の流れとともに解説!

製缶加工は、日常的に使用されるスプレーや缶詰めの容器としての缶だけでなく、大きなタンクや装置、大型の機械のカバーなど、様々な製作品の製造に利用されています。

今回のコラムではこの製缶加工について、どのような流れで加工を施していくか詳しく解説いたします。

1.製缶加工とは

製缶板金とは、鉄やステンレスなどの金属板を切断や曲げ、溶接など行い容器または骨組み状のものを作り出す加工のことを言います。

また、製缶板金加工は、一部に機械加工を用いて、より複雑な形状の構造物を作り出すことがあることから、広義の意味での板金加工とは区別して考えられます。

さらに、製缶板金の加工には、熟練した溶接の技術が必要となります。

溶接技術については、機械化が進んでいる現代に至っても、職人の手腕によって仕上がりの良否が決まる部分が多く、企業の規模を問わず優秀な溶接工を有する事業者が強みを発揮する分野と言えます。

製缶加工とは金属加工の一種で、鉄やステンレスなどに対して切断、曲げ、溶接を行う加工のことです。

例えば、食品工場の培養槽などの容器や、半導体装置の土台となるフレームユニットなど立体的な構造物を製作しています

2.製缶加工の流れ

製缶は実際どのような流れで製作していくのでしょうか。

一般的な製缶加工法の手順をご紹介します。

①図面の作成

通常の板金加工と同じく、製缶加工をする際にも図面作成をしなければなりません。

お客様のご依頼通りの製缶加工を実現するために、図面の作成を行ってから効率よく作業していく必要があります。

②溶断加工

作成した図面をもとに、溶断加工に入ります。

溶断は、金属をガスやレーザー、電気、ガソリンなどを使用して切断する方法です。
金属の厚みによって、ガスやレーザーなどの種類を選びます。

上記のような溶断方法を用いて、製品を図面通りに溶断して大まかな形に切り話していきます。

③穴あけ加工

部品を取り付けや、缶のはめ込み部分の穴をあける工程です。
ラジアルボール盤などで、前加工・荒加工をし、キリ穴やタップ穴等をあけます。

溶接後に穴をあける事が困難な場合は切断・抜き工程であらかじめ加工しておくことが多いので、この工程は大きく前後する場合があります。

④曲げ加工

曲げ加工は、プレス機などを用いて金属を曲げて立体的にする加工です。
溶断で切り出した金属をダイと呼ばれる型に乗せて、押し金型により作りたい缶の形に曲げていきます。

製缶加工では、汎用金型とプレスブレーキによる曲げだけでなく、折り曲げや型曲げ、R曲げ、コニカル曲げなどにより様々な形状が作られます。

⑤溶接

曲げ加工を行った後、2つ以上の金属を接合するために、接合部に熱や圧力、必要があれば溶加材を加えて接合し、1つの製品にする加工工程です。

金属を強固に接合するためには、金属の種類によって素材となる金属(溶接材)や溶接方法を選定することが重要です。

一般的にはアルゴン溶接やアーク溶接が用いられます。

⑥研磨加工・表面処理

耐食性や耐熱性など(機能)を高めるためや、外観・美観(意匠)を向上させるために、表面を磨いたりメッキや塗装などの処理を行ったりする、製缶加工の最終工程です。

研磨加工では製缶品の表面を磨くことで溶接跡や機械加工の跡などを処理し、寸法精度や意匠性を高めることが出来ます。

表面処理では表面に皮膜を形成することで耐熱性や耐食性などの機能性を高めることが出来ます。

⑦組立

最後に組み立て作業です。

ボルトのタップ部分に、ボルトを使って組み立てなどを行います。

組立工程の際に、検品も同時に行うことで、作業効率をよくしているところもあります。

組立は基本機械で行いますが、機械を用いて手作業で組み立てることによってより高い品質の製品が出来上がります。

その際は、職人の高い技術が必要とされます。

3.製品事例

当社では、大型の製缶板金について豊富な製作実績がございます。

こちらでは、大型製缶板金の製品事例をご紹介いたします。

製品事例① アルミ合金製 大型構造物 防潮堤用水門扉体

アルミ製の大型構造体の製缶板金品になります。

このH:3,000 × W:400 × D:10,000を越える大型の構造体は外部からの物理的な力によって稼働することになります。そのためこれだけの大型なサイズでありながら、可能な限りの軽量化が求められるため、アルミ材料が採用されています。
(一般的にアルミ材料は鉄材の1/3の重量、アルミや鉄など材料によって詳細は異なる為、あくまでも参考値として1/3の重量)

>>>この事例の詳細はこちら

製品事例② プラント等の大型製缶部品

鉄製の大型構造体の製缶板金品になります。

幅:2,000☓ 高さ:3,000☓ 長さ:10,000と非常に長さのある構造体の製作でした。
材料はSS400と一般的な鉄材ですが、プラント等で使用される非常に大きな製缶部品であるため対応できる業者がいないと当社にお声かけを頂きました。

>>>この事例の詳細はこちら

大型製缶の板金加工なら、大型構造物・機械装置 設計製作.comを運営する石村工業へお任せください

当社では大型製缶部品の製作から、大型機械のフレームやベースの製缶加工、大型製缶から機械部品製缶まで様々なサイズ、精度のお困りごとに対応してきた実績がございます。

優れた技術者がお客様の求める精度の実現をサポートいたしますので、大型構造物の製作・設計でお困りの案件がございましたらぜひお問合せください。

お役立ち情報 一覧

技術資料ダウンロード ご相談お問い合わせ